矢祭町内川地区は、清流矢祭川と八溝山系のなだらかな山々に囲まれた静かな里山です。
人口の減少にともない、2014年には地区の小学校が廃校になりました。それをきっかけに、地区の消滅を危惧した住民が結束し、2017年12月に「やまつり清流の里協議会」を発足させました。
協議会メンバーは、翌年、グリーンツーリズムで有名な大分県に研修。ここでの体験が、内川地区の住民に大きな希望になったそうです。それは「内川での日々の生活に価値がある」ことが分かったからです。すぐに農林漁村振興交付金を利用し、農泊体験のプログラムを開始しました。初年度は35名の参加があり、内川地区だけでなく町内の宿泊施設の活用にもつながりました。
2019年には6回の体験プログラムを実施。春の田植えに始まり、矢祭川での魚つかみ、炭焼き、栗拾い、蕎麦打ち、餅つきなどを提供しました。ほとんどが首都圏からの参加なので、白河市からバスを手配しましたが、リピート参加が増えるにしたがい、自家用車で矢祭町まで来る方も出てきました。
2020年も継続して、体験ツアー実施を予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、1年間のすべてのツアー中止を決断します。代表を務める古市孝行さんと事務局の小泉美峰さんは、「参加者との縁、プログラム提供に係る住民の想いがこの期間に途切れてしまうのでは」と危惧されています。
矢祭町では2019年秋から「ゲストハウス」を町内3か所に設置する計画も進めており、内川地区もその一つです。2020年4月には、地域おこし協力隊員が専属で配置され、2022年には運用開始を目標に着々と計画が進んでいます。
協議会では、ゲストハウスと協働することで、内川地区への交流人口、リピーターの増加を目指し、プログラムの練り直しを進めています。また、これまでの参加者と、内川地区農産物宅配を通して繋がりを続けていこうと計画中です。
お問合せ先
やまつり清流の里協議会
〒963-5322
福島県東白川郡矢祭町大字内川字塩ノ平11
事務局 080-3430-1767