一年間の活動を町民と共有「地域おこし協力隊活動計画・報告発表会」(矢祭町)

 2023年3月現在、矢祭町では5人の地域おこし協力隊が活動しています。これまで定期的に目標・成果等を町民の皆さんの前で発表をしてきました。令和4年度第2回目の「矢祭町地域おこし協力隊員の活動計画・報告発表会」は、3月24日(金)に矢祭町山村開発センターにおいて開催されました。今回の報告会では、現在取り組んでいる3つの事業を、それぞれの担当者が発表する形で行われました。

その1 読書によるまちづくりの推進事業
 隊員一年目の大羽未准さん、平本晴香さんが担当しています。全国的にも有名な『矢祭もったいない図書館』を拠点に、「本と町民の結び」をテーマに取り組んでいます。

 大羽さんは、小中学校の図書館に通い、子どもたちの知りたい・読みたい想いを刺激。「子ども司書講座」を開き、本に係わる時間を増やす活動を進めています。平本さんは、本と町民を繋ぐ活動として「本を片手に珈琲旅行」と題し、町内のカフェを会場に、珈琲豆の原産地であるブラジルやコスタリカを歩いた店主の話を聞くワークショップ等を開催しました。

 お二人は、「1年間の経験を活かし、本や図書館が暮らしの中でもっと身近な存在となるような活動を進めたい」と締めくくりました。

その2 ラズベリー振興事業
 矢祭町で国産ラズベリー生産が始まったのは15年程前のこと。町の新たな特産品にしようと、ラズベリー栽培を拡大してきました。輸入量に比べ国産ラズベリーの生産量は極わずか、それだけに希少価値があります。傷みやすいラズベリーは、冷凍で輸入されています。そこで、生食の香・味を広げたいと、日本の気候に適したラズベリーを栽培し、現在では7棟のハウスにまで拡大し、生の甘いラズベリーの流通を可能にしています。

 この事業を担当するのは、長友英雄さんと酒井智美さん。気温が高い日が続き生育調整に大変苦労されたことや、マルシェ等での生食果実の販売、果実のピューレ製造の取組を発表されました。長友さんは葉に注目し、リーフティ加工にも挑戦中です。酒井さんはパテェシエとしての技を活かし、子どもたちのアイデアを活かしたお菓子作りを進めています。「矢祭町の新たな特産商品を増やしていきたい」意気込みを感じる発表でした。

その3 文化財振興事業
 矢祭町で活躍した陶工・豊田六之助氏の手元焼陶器の研究と収集した作品について、川瀬孝之さんが発表しました。すでに任期は満了しましたが、「継続して研究を続け、いずれはミュージアムを開きたい」と夢も話されました。

 発表後、佐川正一郎矢祭町長が、「新たな発想力でこれまでと違った取組も聞くことができた。今後の皆さんの活動に期待します」と拍手を送られました。また、参加した町民からは、それぞれの取組に対し感じたこと、活動にともに関わったことでの感想や身近な変化等について発言がありました。
「町民の皆さんに見守られている」と話す隊員たち。新年度の活動計画は、さらに一歩進んだ取組になることが期待できる発表会となりました。

矢祭町もったいない図書館
http://www.mottainai-toshokan.com/(外部リンク)
矢祭町地域おこし協力隊
Facebook:矢祭町地域おこし協力隊