「令和」の時代から「明治」までタイムスリップした気分になれる 「小さな歴史資料館」(都路町)

▼古代ロマンを感じる土地「都路町」
国道288号線を郡山市から浜通りへと向かって走ること1時間。国道の左手側には、今から1200年前に都から東北征伐にやって来た征夷大将軍、坂上田村麻呂が、配下の武将と策を練ったとされる五十人山があります。学生時代、歴史の授業で坂上田村麻呂について学んだ記憶はありましたが、かなりおぼろげでもありました。しかし、実際に訪れてみると1200年の歴史を、古代のロマンを感じる土地でもあります。

▼歴史ある五十人山の麓に佇む「小さな歴史資料館」
そんな歴史を感じる地にあるのが、今回取材した「小さな歴史資料館」です。建物は、自宅敷地内にある蔵と住宅を改装しています。館長の渡辺清光さんに案内されて中に入ると、展示物が所狭しと置いてあり、そこはまさに歴史の宝石箱のようでした。今、話題のスポーツ選手の物から明治時代の貴重な資料まで珍しい「お宝」がたくさん。この大変珍しい品々を、地元の小学生たちが先生に引率されて見学に来ることもしばしばあるそうです。

▼次世代に伝えていく使命感に燃えて
館長の渡辺さんは長く会社員として働き、仙台で定年を終えて故郷の都路町に戻ってきました。昔ながらの原風景が残る都路町を眺めるうちに、この懐かしい土地に、昔の物を探して、集めて、後世に残していきたいと思ったそうです。それまでの人生で収集を趣味としてきたわけでもない渡辺さんにとって、懐かしい物品を集めるのは大変苦労したそうです。「お宝」があると情報を入手すれば沖縄県から北海道まで出かけて行って集めてきました。収集を始めて約10年あまり、その労力もさることながら費用も相当なものになったそうです。

▼学ぶことがぎっしり詰まった「小さな歴史資料館」
パソコンやスマートフォンがあれば買い物が簡単にできたり、調べたいことが瞬時に分ったりして生活していくには良い時代になったと話す渡辺さんですが、若いかたやこどもたちに「君たちのご先祖様の時代はこんな暮らしだったんだよ」とインターネットで知る情報ではなく、実際に「小さな歴史資料館」に来て、見て、学んで欲しいと熱く語る「小さな歴史資料館」館長の渡辺さんでした。
(2024年7月24日取材Y)

■名称:「小さな歴史資料館」
■住所:〒979-4702 福島県田村市都路町岩井沢字馬酔木沢204 GoogleMap
■営業曜日:無休(事前の電話連絡必須
■電話:090-6854-6833(渡辺清光さん)
■入館料:無料
■駐車場:敷地内に有り

写真トップ:入り口を見ただけで昔懐かしいレトロ感でいっぱいに。昭和の時代には当たり前のように商店や住宅に掲示されていた見覚えのある看板の数々。直近でも、関東からこの看板見たさにツーリングクラブの集団が見学に訪れていました。

 

写真2:さまざまな年代のたくさんのかたに見ていただきたいとの思いから、なんと入館料は無料。いったん中に入って見学してみると渡辺館長の丁寧な説明もあって、あっという間に数時間経ってしまうから驚き。まさに現代の竜宮城のような「小さな歴史資料館」

 

写真3:自然豊かな都路町岩井沢地区にある「小さな歴史資料館」。広々とした屋敷の入り口付近の蔵を改装し展示物を置いてある。建物の裏手には広大な畑が広がっていて桜並木がある。春には満開の桜も楽しむことができる隠れた癒しスポット。