川内村の人の魅力に惹かれて 岡本奈美佳さん(川内村)

▼「浜通りが好き」

静岡県出身で、愛知県の大学で外国語学部を卒業した岡本奈美佳さん。旅行会社勤務を経て、地域おこし協力隊としての生活をはじめるために、2024年春に川内村に移住しました。希望した旅行業界の仕事に区切りをつけたものは、訪れるたびに見える変化とそれに関わる人々との交流から生まれた「浜通りが好き」の想いでした。

▼「復興」ポジティブに取り組む富岡町に住む人々

富岡町を訪れたキッカケは大学のまちづくりテーマのゼミ。夏休み一か月の滞在でした。初めは、震災から8年以上経過したにも関わらず、津波で壊れた建物がそのまま残り、フェンスで入ることの許されない住宅街がある現状を目に大きなショックを受けたという岡本さん。しかし生活を開始した住民や復興に関わる人々の明るさに触れるにつれ、「また会いたい」「町の変化を感じたい」と思いを強くし、高速バスで愛知から富岡へ通う日々が始まりました。

▼コロナ渦での決断

旅行業界に就職してまもなく、世界中がコロナ渦に入り、旅行の形態もかわってきました。仕事も旅行添乗からデスクからの発信業務が中心となり、直接的な人との関わりもほとんどなくなってきた中で、富岡町は心の拠り所となっていきました。住むならば、浜通りの町ならどこでもよかったという岡本さんが出会ったのは、川内村からのDX推進担当地域おこし協力隊の募集でした。

▼自然の豊かさと人の温かさ

「まずは、一度村に来てください」 役場のDX推進担当者に案内された川内村は自然豊かで、出会う人々も気軽に声を掛けてくれる。人の魅力に惹かれた岡本さん、「決断は早かった」と。住まいもすぐに紹介してもらえました。

▼これから

岡本さんの主な業務は「川内村未来デザイン会議」の運営。村内外の30名がメンバーとなり、「図書環境整備」「空き家等利活用」「子育て支援」等をテーマに月一回の定例会議の準備や進捗の確認、情報発信等に日々忙しい。また、村内の施設を活用するワーケーション事業も「人と直接関わり会うことで交流を繋ぐ仕事ができることは楽しい」と話す岡本さんです。

(2025年1月16日取材S)

■川内村役場 DX推進室

■福島県双葉郡川内村大字上川内字早渡11-24

■URL :http://www.kawauchimura.jp/

写真トップ:川内村未来デザイン会議も開催されるコミュニティスペースで日々の活動を紹介してくれた岡本奈美佳さん

写真2:川内村小中学園の一画に開設されたコミュニティスペース「地域文化伝承教室にじいろ」は、村民の地域活動に利用ができ、子どもたちにも放課後活動に開放されている。

写真3:宿泊施設「いわなの郷」に設置されているコテージ。

キャンプ等以外の活用をとフリーWi-Fiを新たに設置。ワーケーション利用者への条件を整える等、岡本さんのDX業務も広がってきている。