▼岐阜県からIターン
矢祭町で鮮魚店「丸安魚店」と料理店「さかな家」を夫婦で営む丸山美佳子さんは、天下の名湯「下呂温泉」で有名な岐阜県下呂市の出身。中学校の教員をしていたが、結婚後、夫・安則さんの転勤で福島県泉崎村へ移住。2003年7月に安則さんの実家を継ぐために矢祭町に転居してきた。
▼矢祭町に来て生活が一変
泉崎村では安則さんが勤務する会社の社員住宅に住み、ふるさと支援員として学校に勤めていたものの、地理も分からず社宅にこもるような孤独な状況だった。それが矢祭町では、色々な人が声をかけてくれるようになったことで、地域に歓迎されているという感覚を持つようになった。この感覚が矢祭町に溶け込めた大きな原動力になっている。
▼大きなきっかけはPTA
今では民生児童委員を務めるほど町との関りの強い丸山さんだが、その大きなきっかけとなったのはPTAだったと言う。子どもが通った旧東舘小学校でPTA会長を務めた。はっきりものを言う性格が買われたのではないかと笑いながら振り返る。翌年に統合を控え、閉校の準備が同時に進められる中でPTA会長という役割を担ったことで、より広く町の人たちとかかわりを持ち、より深く知り合うことが出来たのではないだろうか。
▼移住者の視点と矢祭愛
矢祭町の地域活性化の取り組みの一つに「矢祭ブランド会議」がある。地元の魅力を住民自らが再発見しようというもので、丸山さんもメンバーに選ばれた。地元のよさに気づくには移住者の視点が大事であるが、同時に矢祭に対する思い入れも重要である。丸山さんいわく、矢祭の人たちの「かつお愛」がすごい。山の中なのにと思ったが、地元で採れるにんにくがおいしくて、新にんにくの季節はかつおが大人気になると教えてくれたが、その語り口に矢祭愛を感じた。
▼これまでも・これからも
1921年創業の丸安魚店は、安則さんで4代目。コロナ禍からの再起を期すという気持ちも込めて、2023年11月にJR水郡線で観光列車「びゅうコースター風っこ」を借り切り、丸安魚店102周年・さかな家20周年と銘打ったイベントを開催した。常連のお客さんへの感謝という意味合いが強かったが、山間の町で営まれて来た家業を大事にしつつ、これからも矢祭町を盛り上げていきたいという地元愛を強く感じた。
(2025年1月9日取材 I)
■名称:丸安魚店・さかな家
■住所:〒963-5118 福島県東白川郡矢祭町東舘桃木町33−7
■電話番号:0247-46-3802
■定休日:毎週水曜日・その他不定休(さかな家は昼・夜とも予約制)
■URL:https://sakanaya-maruyasu.com/blog/
写真トップ:矢祭町の料理店「さかな家」の店頭にて。左が丸山美佳子さん、右が夫の安則さん。2003年に岐阜県から安則さんが生まれ育った矢祭町に移住して、すぐに開店した。
写真2:丸山安則さんの実家・丸安魚店は大正10年(1921年)創業の老舗。コロナ禍を乗り切った2024年に改装。国道118号線に面する表の顔が丸安魚店。その反対側の裏の顔がさかな家で、夫婦2人でうまく調整して行ったり来たりの同時営業。(写真は同店HPより転載)

写真3:さかな家のおまかせランチ 水戸の市場から仕入れる新鮮な魚と、地元で取れた野菜をふんだんに使ったおまかせランチ。店の切り盛りのことや材料の仕入れを効率的に行うために、昼も夜も予約のみの営業としている。
