生徒数減少により、小中学校の統廃合に踏み切った石川町。町の中心部にあった旧石川小学校は廃校になりましたが、かつての学び舎は公民館・図書館・屋内遊び場を兼ね備えたまちなか再生の拠点となる文教福祉総合施設として生まれ変わりました。公募で決定した施設の愛称は『モトガッコ』。「記憶に強く残るのは学校。ヒトが集まってくる場所も学校。新しく誕生する場所が元学校であったことに思いを寄せて」命名したそうです。
2019年4月にオープンしたモトガッコのコンセプトは、「集い」「遊び」「学ぶ」の3つ。団体やサークル活動の拠点として集い、子どもがのびのび遊び、文化芸術活動や図書館で学ぶ交流の場として、各方面から注目されています。
2階に設けられた5つのルーム、2つの和室、音楽室では、町民のサークル活動が毎日のように行われています。
石川町では、文教福祉総合施設開設にあたりさまざまなアンケート調査を行いました。運営検討ワークショップも回を重ねたそうです。そこに参加した町民有志10名で「モトガッコサポータークラブ」が結成され、現在も広報紙の作成や活用の検討などに関わっています。
また、町内2つの高校性が「歴史と文化を受け継ぎ、世代を超えてヒトが集うモトガッコを、まちのリビングルームにしたい」と活動を展開しています(まちのリビングプロジェクト(通称まちプロ))。
モトガッコ誕生からまもなく一年。昨年12月1日時点で、延べ94,000人を越える方々が利用しています。誰もが歩いて利用できる場所にあり、広い空間を持ち、町民サポーターが関わって運営されているモトガッコは、早くも廃校活用の事例として全国からますます注目される施設となっています。
お問合せ先
文教福祉総合施設「モトガッコ」
〒963-7852 福島県石川郡石川町字関根165
TEL:0247-26-2566 (石川公民館)
定休日:図書館・赤ちゃん広場、屋内遊び場は毎週火曜
桜並木の続く今出川沿いが正面玄関。モトをMOTTOと表記したロゴが印象的。MOTTO=もっと、これは「学び舎が世代を超えて集う結び舎へ」の期待が込められている。出入り口すぐの「まちなか窓口」では、住民票や証明書などの発行も可能
まちなか窓口を挟むように図書館とオープンスペースが配置された1階。図書館南側は、全面ガラス窓でテラス席も設置されるなど、明るく開放的空間。地域資料学習コーナーや読み聞かせ室などもある。Wi-Fiも完備され、インターネット環境も充実。オープンスペースは、マルシェやイベントの開催、講演会や展示会など、交流や情報発信の場として利用されている
「キッチンスタジオ」では毎週土日にはカフェ営業(中止の場合もあるため、利用の際は要確認)。キッチン奥には、赤ちゃん広場、屋内遊び場、児童クラブの施設など、子育て支援の設備が充実。子育て支援NPO法人による定期子育て相談会なども開催されている。
グランドには、子供たちのための大型遊具が設置されている