2020年3月4日、双葉町の避難指示解除準備区域および帰還困難区域の一部が解除されました。これにより、浪江町との境に位置する沿岸部と、双葉駅周辺の一部(国道6号線と双葉駅を繋ぐ一帯)は、自由に立ち入りができるようになりました。さらに、3月7日には常磐自動車道常磐双葉インターチェンジが開通、3月14日には常磐線が全線開通を果たしました。
3月17日、新しくなった双葉駅には、電車に乗り降りする人、発着する電車を見に来る人が次々と現われていました。新駅舎を眺め、電車の写真を撮るなどしています。駅に隣接する旧商工会のあった建物は、町コミュニティセンターとして開設され、職員並びに支援スタッフが常駐しています。行政窓口の他に休憩スペースもあり、誰でも利用ができるようになっています。
双葉駅を訪れていた福島市から来たというご家族は、「双葉町に住んでいた。自分の家にはまだ入れないけど、常磐線が開通したというので見に来たの。帰れないけど、なんかうれしいね。」と駅舎の中を見て回っていました。仙台から来たご夫婦は、「家はまだ解除区域から外れているし、解体をしたので何も無い。ようやくお墓参りをすることができるようになったので来たの。駅も新しくなって、電車も走るようになって良かった。でも、仙台に家を建てたので帰らないつもり」、そう話しながら、夫婦で写真をたくさん撮っていました。
6号線沿いにガソリンスタンドを再開させた『伊達屋』の代表吉田さんは、「除染・復旧作業が進むにつれ、6号線の交通量は増えてきたね。帰還困難区域の一部解除や常磐線開通に伴って、双葉に来る車も増えたような気はする。1年前に比べると、周りの家や建物の解体が進んで、町の景色が日々変わってきているのを感じるよ」と話してくださいました。
お問合せ先
双葉町役場コミュニティセンター連絡所
福島県双葉郡双葉町長塚字西39-22TEL:0240-23-0051
開所時間 9:00~16:00
トップ画像:新しくなった双葉駅(広場から見える時計は14:46で止まっている)
駅に隣接する町コミュニティセンター。役場職員や支援スタッフが常駐
広野—原ノ町駅間で上下線計22本の普通列車と、品川・上野—仙台間で上下線6本の特急ひたちが停車する
線路は単線・駅構内も単線なので、ホームも片側のみ使用
記念写真を撮る夫婦
震災後のままの姿を残す町