磐城棚倉駅前で毎週日曜日だけオープンするアートギャラリーカフェ『キノサト文化研究所』。2022年1月から営業を始めました。
オーナーの小室芽美さんがオープンの発想を得たのは、学生時代にモントリオールに行った時のこと。芸術活動が、人々の日常に当たり前に存在していることに驚き、自分を表現する方法を持っている人たちの幸せそうな様子を目にし、日本にもこのような文化を作りたいと思ったことがきっかけでした。
店名の『キノサト文化研究所』は、棚倉町が豊かな森林資源を有するところから、自然に由来した創作活動や、芸術活動を支援出来るような場所にしたいと思いから。「隣にシロノマチ学習室という学習塾があり、シロノマチとキノサトはなんとなく、相性が良さそうだな、と思ったことも理由の一つ」と小室さんが教えてくれました。
ギャラリーへの展示は、小室さんが自ら探し作家さんとの交流の中で作品を選んでいます。
「作品を通し子供たちに自分を表現する方法や生き方を発信していきたい。知らなかっただけで、実は自分が好きだと感じるものって沢山ある。それは、言葉だったり、色使いだったり、形だったり、素材だったり、音だったり、香りだったり、他にももっとたくさん。『キノサト文化研究所』に展示した作品や、作品を作った作家さんのストーリーから自分の好きなもの、好きな表現方法、生き方を見つけて欲しい。大人になるってこんなに楽しいことなんだよ。ということを知ってもらって希望をもって大人になって欲しい。」小室さんのたくさんの想いがあふれている場所になっています。
「オープンしてまだ日が浅いですが、ギャラリーにお客様がいらしてくださるようになりました。これまで見たことがなかった作品を目にしているその空間に、私も存在出来ていることがとても嬉しいです。作家さんの感性とお客様の感性が今この瞬間にぶつかり合って新しいものが生まれているのだと、そう思うととても嬉しくなります」。楽しそうに話す小室さんには笑顔が似合います。
作品をゆっくりと楽しむ空間だから、カフェのメニューはシンプル。チョコチップクッキーとハンドドリップコーヒー、フォカッチャがおすすめです。
『キノサト文化研究所』を通して、子供たちが大人になることが楽しみで仕方なくなるような地域に発展するよう発信をしていく。「楽しいのは今のうちだけと、私が学生のころ周りの大人はそう言っていました。私は、子供たちに大人になっても、すっごく楽しいよと伝えたいです。地域のために出来ることは、楽しく生きている大人たちがいることを見せ続けていきたいですね」
阿武隈の城下町で楽しんでいる大人がいるギャラリーを是非訪ねてみてください。