伊達市霊山町に移住され、3年目を迎えるアクリルガラス絵画家のYOICHI-RONこと石川陽一郎さんを訪ねました。
石川さんを紹介する前に、ガラス絵について少々・・。
ガラス絵とは、ガラスの上に絵具で描く絵画です。ガラス絵の最大の特徴は、描く手順です。例えば、紙に人物を書く時、顔や髪を描いて最後に目を描きますね。ところが、ガラス絵は、ガラス裏面に描いて行くので、最初に描いたものが作品の最前面になります。まず目を描き、そのあとに顔、髪と描いて仕上げていきます。
YOICHI-RONが描く世界が紡いだ縁
石川陽一郎さんは、和歌山県の出身です。先天的色弱というハンデがありながら、ガラス絵作家のお父様に大きく影響され、ロンドンに留学し本格的にガラス絵の制作を始めたそうです。現在はよりストーリー性の強い作風で、独特な世界観を表現しています。
色弱ならではの色彩感覚を表現するため、多種多様な塗料を使ったり、幅広い手法を用いて表現しています。額装も自作しているため、額を含めて一体感のある作品は、唯一無二の存在感と言っても過言ではありません。「アクリル板裏面の保護用紙に下絵を描き、二枚刃にしたカッターで紙を切り抜いて、そこに色を重ねていきます。その作業を何度も繰り返します。筆は使わず、釘の頭に絵の具をつけてちょんちょん・・を繰り返したり、スプレーを吹き付けたり。誰もやっていないような手法を見つけるのも楽しいです」と石川さん。
「僕の絵に興味があるとメッセージをもらいました。絵を買いたいとやりとりを重ねた相手が妻です」と、照れながら恵里夫人との出会いを教えてくださいました。そして結婚を機に、恵里さんの故郷伊達市霊山町にアトリエを構え、移住を決意したのが3年前のことです。「画家というと不規則な生活のイメージをもたれますが、朝起きてアトリエに向かい、夜は家族と過ごす、そんな生活スタイルに変わりました。人生がよりよく感じられるようになりました」。
ニューヨークの展覧会をはじめ、さまざまな展覧会に出展するほか、近隣のギャラリーでの展示要望も多く届くようになり、YOICHI-RONの世界が各地へ羽ばたき始めました。「アクリルガラス絵の技術を少しでも多くの方に体験してほしいと思っています。アトリエを中心にして、この界隈がにぎやかに、元気になるような活動もしていきたい。子どもたちがアートの世界に自然と触れていけるような環境ができたらと思っています」。
※9月8日〜10日開催のあぶくまフェアに、出店が決まりました。額縁金付け体験とアクリルガラス絵制作体験のワークショップも行います。
あぶくまフェア2023「額縁金付け体験ワークショップ」で使用する額縁。額縁制作もオリジナル
あぶくまフェア2023「アクリルガラス絵体験ワークショップ」で制作するパターン。選ぶ色で待ったウ違った仕上がりになる。できあがるまで表を見る事ができないため、予想以上のイメージになる面白さもある