『三和町ふれあい市場』は、食品スーパーのない三和町で、地域の人達に愛されている直売所です。会員30名が新鮮野菜や加工品、工芸品などを毎日出品しています。最近の人気は、2022年12月から始まった「かあちゃんの弁当」です。
「三和町は移動販売も無いしコンビニも遠いから、近くで弁当が買えるところがあるといいんだがなと、買いものに来る住民や、仕事で三和町に来た方などから、幾度となく声を掛けられました」と運営支援担当の溝端宏幸さん(地域おこし協力隊員)。「施設内には調理室は、イベントなどで注文があれば弁当や総菜等を提供していましたが、毎日の販売までには至っていませんでした」。
地区の高齢化が進み独居生活者も増える中で、配食を要望する声も増えてきことから、ふれあい市場会員の女性8名が中心となり、「かあちゃんの弁当」の提供を開始しました。食材は地元産の野菜が中心。栄養バランスを考え、しかも三和の味を大切にした弁当です。開始直後は月に一度だった販売は、徐々に回数を増やし、現在は月曜から金曜までの毎日販売になりました。一食500円、昼前には完売です。
この弁当の特色のひとつが箸袋兼ランチョンマット。地元の中学生中学校が書いてくれた三和の風景の絵を箸袋兼ランチョンマットにしたことが地域の話題になりました。そこで、来る12月のかあちゃんの弁当一周年記念用として、新たに採用するデザインを三和小中学校全生徒対象に募集。なんと113名の全生徒が参加。現在、ふれあい市場内に展示され、デザイン総選挙が行われています(10月19日まで)。人気作品のいくつかが採用される予定です。総選挙は500円購入ごとにもらえる応募券で投票します。ぜひ、実際に見てお気に入りの絵を見つけてください。
「地域の人が長く安心して暮らせるように、いずれは移動販売や介護食の配食の事業に進んでいければと会員みんなで考えています」と溝端さん。「そのために、調理場の増築も検討中です」とこれからの三和地区の未来を話してくれました。
作る人も食べる人をも元気にしてくれる「かあちゃんの弁当」は、多世代を巻き込みながら地域を動かし始めています。
※トップ画像:三和ふれあい市場店内 運営支援の溝端宏幸さんとお客さん対応のスタッフさん